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胃がん・食道がんの早期発見に胃カメラが有効な理由

消化器内科

「最近、胃の調子が悪いけど、まさかがんじゃ…?」
「健康診断のバリウム検査だけで大丈夫?」

そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、**胃がんや食道がんの早期発見に最も有効とされているのが「胃カメラ(胃内視鏡検査)」**です。

今回はなぜ胃カメラが早期発見に役立つのか、バリウム検査との違い、検査のタイミングなどを解説します。


なぜ「早期発見」が重要なのか?

胃がんや食道がんは、初期の段階ではほとんど症状が出ないのが特徴です。
しかし、早期のうちに発見できれば、**内視鏡による切除(おなかを切らずに済む)**などの低侵襲な治療が可能です。

実際に、早期胃がんの5年生存率は90%以上と非常に高く、
逆に進行してから発見されると、治療も大がかりになり、予後も悪くなってしまいます。


胃カメラとバリウム検査の違い


項目 胃カメラ(内視鏡) バリウム検査(造影検査)
検査方法 カメラで直接観察 バリウムを飲んでX線で撮影
見つかる病変 微細な早期がん、色の変化、小さな潰瘍など ある程度進行したがんや大きな変化
生検(組織採取) 可能(その場でがんかどうか調べられる) 不可
精度 非常に高い(特に早期がん) やや劣る
検査時間 5~10分 10~15分

つまり、バリウム検査は「大まかなスクリーニング」
**胃カメラは「精密で確実な診断」**ができる検査です。


胃カメラでわかること

  • 胃がん・食道がん(早期〜進行)

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

  • 逆流性食道炎・バレット食道

  • ピロリ菌感染の有無

  • 慢性胃炎・萎縮性胃炎

  • ポリープの種類や大きさ

カメラで直接見ながら、小さな異常も見逃さずに確認でき、**必要に応じてその場で組織を採取(生検)**できます。


こんな方は定期的な胃カメラをおすすめします

  • ・50歳以上の方(胃がんリスクが高まる)

  • ・ピロリ菌に感染していた、または除菌歴がある方

  • ・胃の不快感や胸やけが続く方

  • ・家族に胃がん・食道がんの既往がある方

  • ・バリウム検査で異常を指摘された方

  • ・喫煙・飲酒習慣がある方


検査はつらくない?当院の取り組み

当院では、患者さんの不安を軽減するために、以下のような配慮を行っています。

  • **経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)**で嘔吐反射を軽減

  • ご希望に応じて鎮静剤を使用し、ウトウトした状態で検査可能

  • 最新の細径スコープを導入し、負担の少ない検査を実現

  • 消化器病および内視鏡専門の医師が丁寧かつ的確に検査を実施


よくあるご質問

Q. 胃カメラって痛くないの?
A. 当院では、鼻からの胃カメラ鎮静剤の使用など、できる限りつらさを軽減しています。苦手意識のある方でも、多くが「思ったより楽だった」とおっしゃいます。

Q. どれくらいの頻度で受けた方がいい?
A. 胃がんリスクのある方(ピロリ菌陽性歴あり・家族歴あり)は、1年に1回の定期検査をおすすめします。

Q. ピロリ菌がいると胃がんになりやすい?
A. はい。ピロリ菌感染は、慢性胃炎を経て胃がんにつながることがあります。除菌後も定期的な胃カメラが大切です。


最後に:胃がんは「見つければ治せる」時代です

胃がんや食道がんは、早く見つければ治せる病気です。
つらそうだからと検査を避けてしまうのではなく、楽に受けられる方法を選んで、しっかり予防していきましょう

当院では、安心して受けられる胃カメラ検査を提供しています。
症状がある方も、気になるけど検査を迷っている方も、どうぞお気軽にご相談ください。