【POTS(体位性頻脈症候群)とは?】立ちくらみ・動悸が続く方へ
こんなお悩みありませんか?
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朝起きて立ち上がると、クラクラしてしまう
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少し動いただけでドキドキが止まらない
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ずっと疲れていて、頭がボーッとする
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「自律神経のせいかも」と言われたけれど、はっきりしない…
これらの症状がある方は、**POTS(体位性頻脈症候群)**という病気の可能性があります。
POTSとは?
POTS(ポッツ)とは、正式には「体位性頻脈症候群(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome)」といい、立ち上がったときに心拍数が異常に増える自律神経の病気です。
人は立ち上がったとき、重力で血液が下半身に下がりますが、健康な人では自律神経が反応して血圧や心拍数を調整します。
しかしPOTSの方ではこの調整がうまくいかず、心臓が過剰にドキドキしてしまうのです。
POTSの主な症状
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立ち上がった時の強い動悸
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立ちくらみ、めまい
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慢性的な疲労感
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頭がぼーっとする(ブレインフォグ)
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息苦しさ、胸の圧迫感
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食後や入浴後の体調不良
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時に失神することも
これらの症状は、特に10代後半から30代の女性に多くみられますが、年齢・性別にかかわらず起こり得ます。
POTSの診断基準
以下のような状態がある場合、POTSと診断される可能性があります:
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仰向けから立ち上がって10分以内に心拍数が30回/分以上増加
(または、心拍数が120回/分以上になる) -
血圧はそれほど下がらない
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症状が6か月以上続いている
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貧血、甲状腺異常など他の病気では説明がつかない
なぜ起こるの?(原因)
POTSの原因はさまざまです:
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自律神経の不調(特に交感神経の過活動)
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血液量が少ない
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静脈の弁が弱く、下半身に血液がたまりやすい
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ウイルス感染後(特に最近ではコロナ後遺症として増加)
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自己免疫の関与
治療と日常生活の工夫
POTSは生活習慣の見直しやお薬による治療で、症状の改善が期待できます。
日常生活でできる工夫
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水分を1.5~2L/日しっかりとる
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塩分をやや多めにとる(ただし高血圧の方は医師に相談)
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弾性ストッキングを着用する
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ゆっくりと起き上がる・急な動作を避ける
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長時間の立ちっぱなしを避ける
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少しずつでも筋力をつける
お薬による治療(必要に応じて)
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β遮断薬(心拍数を抑える)
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ミドドリン(血圧を安定させる)
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フルドロコルチゾン(血液量を増やす)
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イバブラジン(心拍数をコントロール)
まとめ
POTSは「気のせいではない体の病気」です。
若い方や女性に多く、“自律神経失調症”として見過ごされやすいですが、適切な診断と治療で改善が期待できます。
当院では、POTSを含めた自律神経症状や循環器の不調についてもご相談いただけます。
「もしかして…」と思った方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。